稟議(りんぎ)とは?意味や種類、承認を早く通す3つのポイントを解説

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稟議とは、社内の重要事項について関係者の承認・決裁を得るための手続きです。
しかし実際には、「稟議を通すのが面倒」「なかなか承認されない」と感じている方も多いのではないでしょうか。稟議がスムーズに進まない原因は、個人の書き方や根回し不足だけでなく、承認経路の長さや合議や多数決などの仕組みそのものにあるケースも少なくありません。
本記事では、稟議の基本から、なぜ面倒に感じるのか、その背景と改善の考え方を整理します。

 稟議(りんぎ)とは?意味や種類、承認を早く通す3つのポイントを解説
 目次

稟議(りんぎ)を通すとは?決裁との違い

「稟議」とは、自分の権限だけでは決定できない事項について、関係者や上位の役職者に書類(稟議書)を回覧し、承認を求める手続きのことです。
一方「決裁」とは、最終的な決定権限を持つ人(決裁者)が、その提案に対して可否の判断を下し、承認することを指します。つまり、稟議というプロセス(過程)の最終的なゴールが「決裁」となります。
稟議を通すとは、単に書類を提出することではなく、関係者が内容を理解し、納得したうえで承認・決裁される状態をつくることです。そのため、稟議書の内容だけでなく、承認の流れや確認方法も重要になります。

稟議書には企業によって決まったフォーマットがあることが多いですが、基本的には「承認者が内容を正確に把握し、スムーズに判断を下せる状態」を作ることが重要です。以下の項目を網羅して作成するのが一般的です。
  • 件名:何についての稟議か、一目でわかるように端的に記載する
  • 起案日・起案者:いつ、誰が(どの部署が)提案したか
  • 目的と背景:なぜこれが必要なのか、現状の課題は何か
  • 具体的な内容:何を導入・購入・実施するのか
  • 費用・予算:いくらかかるのか(相見積もりや内訳の添付があれば明記)
  • 費用対効果・メリット:それを実施することで会社にどんな利益があるか
  • 希望スケジュール:いつまでに承認が必要か、いつ実施するか

このように、必要な情報を過不足なく客観的なデータ(見積書やカタログなど)と共にまとめることが、差し戻しを防ぐ第一歩です。 

また、稟議書は以下のようにさまざま種類があり、項目や記載すべき事項も異なります。そのため、注意事項が多くあり「稟議を通すのが面倒」と感じる場面は多々あります。次章では、その根本的な理由と解決策を見ていきましょう。

稟議書の種類

購入稟議 備品や消耗品などを購入するときの稟議
出張稟議 出張するときの稟議
外注稟議 自社で実施できない業務を外部に委託するときの稟議
契約稟議 取引先との取引の開始や、取引に関する契約を締結するときの稟議
採用稟議 人を新たに採用するための稟議

どの稟議書も面倒という現実

いろんな種類の稟議書がある中で、常に付きまとうのが「毎度、稟議書を書くのが面倒」「処理するのが面倒」という現実です。面倒に思う原因としては、根回しが必要なケースや稟議がスムーズに決裁されない等がありますが、個人に起因するものと組織に起因するものに分けると、およそ以下の内容が考えられます。

個人に起因するケース

1.稟議に必要な情報を網羅できていない

決裁・承認を得るために最低限必要な目的・理由・手段を具体的に明記しておらず、差し戻されるケース。

2.承認・決裁する立場の上司がつかまらない

上司の出張が多かったり、テレワークなどで連絡が取りにくい状況など、残念ながらよくあるケースです。

3.稟議を紛失したり、行方不明になったりする

自分が起案した稟議書を、上司の机にメモと共に置いておいても気づかれず、埋もれてしまうケース。

組織に起因するケース

1.承認の経路がわからない

大きな案件や重要度が高い案件であればあるほど、承認までのステップが多段階であったり、どこの部署に回せば良いのか分からないケース。

2.過去の稟議を参考にしたいのに、見つからない

稟議書を起案する際、過去の稟議書を参考にして効率良く起案したいのに、過去の稟議書が探し出せないケース。

3.稟議への押印が必須

テレワーク環境下でも、書類の押印のためだけに出社する「ハンコ出社」で、スムーズに承認まで回らないケース。

稟議を早く通すための3つのポイント

稟議が通らない・時間がかかる原因は上記でご紹介したようにいろいろありますが、多くの組織でどこかしら思い当たる節はあるのではないでしょうか。

ここからは、稟議を短時間で通すための3つのポイントをご紹介します。

ポイント1:稟議の内容を見直す

情報が不足して、承認が否決されたり差し戻されると時間がかかります。稟議の内容が原因で差し戻されないように、必要な情報を網羅して相手に気持ちよく承認していただきましょう。ただし、完璧な稟議を作成しようとするあまり書類作成に時間がかかっては意味がありません。経験者に直接教えてもらったり、過去の稟議を可能な範囲で参考にしてできる限り情報を集めましょう。またなるべく組織内で過去の稟議が共有できるようになるとよいですね。このような工夫が差し戻しを減らすことにつながります。

ポイント2:関係者への根回しを行う

稟議の内容によっては、組織の業績を大きく左右することもあります。責任重大な内容を紙で突然示されたら、いくら役割とはいえ上司が警戒してしまうのも無理はありません。事前に相談したりアドバイスをもらうことで稟議の質も高くなりますし、稟議が通るまでの時間も短くすることができます。また、事前に承認をいただけそうな時間を確認しておけば、承認までの時間ロスを減らすこともできます。さらに事前に伝えておくことで、承認の滞留や紛失の防止にも効果的でしょう。

ポイント3:稟議の仕組みを変える

稟議の仕組み自体を変えることは個人では難しいことですが、自分が困っているということは組織の誰かも困っているということです。稟議が通るまでの時間を短くすることは、組織にとっても個人にとっても良いことなのでぜひ全社的に取り組みたいですね。

新中央航空株式会社 様の事例

実際に、稟議書の電子化と承認フローの見直しに取り組み、書式や決裁ルートまで改善した企業の事例もあります。例えば、新中央航空株式会社では、紙稟議の電子化に加え、申請書式の整理や決裁ルールの再設計に取り組みました。その結果、稟議にかかる時間を大幅に短縮し、従来は1〜2週間かかっていた決裁が、数時間で下りるようになったという成果が出ています。

書式・決裁フローの見直しまで踏み込んだ事例はこちら

稟議にかかる時間を短くする電子化

稟議の仕組みを変える方法として、有効な方法の一つが稟議書の電子化です。稟議書を電子化すると、稟議の内容に関する課題と、回覧に関する課題の両方を解決することができます。

稟議の電子化とは

稟議の電子化といっても、「紙で回していた書類をPDFにしてメールで回す」だと時間短縮効果は大きくありません。稟議を電子化すること自体ではなく、より短時間で稟議を通すことが達成できなければ意味はないため、もう1段階進んだ電子化を進めましょう。そのためには稟議書のシステムを導入することが有効です。
稟議に関連するシステムとしては、電子印鑑を押せるシステム、文書保管システムなど色々ありますが、より有効なのがワークフローシステムです。

ワークフローシステムの主な特徴は以下の通りです。

どこまで承認が進んでいるか、進捗がわかる
誰がいつ承認したかがわかる
リスト形式にするなど、入力内容をあらかじめ設定できる
関係者に対してメールやビジネスチャットに自動で通知できる
合議内容やコメントを記録に残すことができる
過去の申請内容を後からかんたんに検索することができる

最近はオンプレミス型よりもクラウド型のサービスが多く、初期費用を抑えて導入することが可能です。ワークフローシステムによっては上記の機能が不十分であったりカスタマイズが難しいものもあります。まずは必要な要件が何かを整理し、自分たちの組織に必要な機能をよく把握した上で、稟議の時間を短縮するために、ワークフローシステムをぜひ取り入れていただきたいと思います。

まとめ

稟議を早く通すためにはさまざまな課題があります。面倒だと感じることもありますが、組織や経営のためには必要な業務ですので、なくすことは難しいでしょう。従って、稟議の作成や回覧の業務を省力化し、効率化することが重要になります。稟議に関する業務を効率化するツールとして、ワークフローシステムがあります。