文書管理台帳の管理を効率化する鍵は「稟議の電子化」
目次
アナログで非効率な文書管理台帳の根本原因は?
年度が替わった後に「前年度分の文書整理が山積みだ」「監査が近いのに台帳の最新化が追い付いていない」「該当の稟議書探しに時間がかかる」毎年同じ悩みを抱いていませんか?台帳のフォーマットや管理体制を見直しても、この問題を根本的には解決できないでしょう。なぜなら、文書管理台帳の非効率は、その手前にある「社内稟議」がアナログであることが問題だからです。
稟議と台帳の関係を、正確に理解する
文書管理における「社内稟議」と「文書管理台帳」それぞれの役割を確認しましょう。両者の密接な関係性を理解することが重要です。
文書管理台帳と社内稟議の「役割の違い」
| ツール | 役割 | 目的 |
| 社内稟議 | 文書を正式なものにするための「承認プロセス」そのもの。 |
文書の内容の妥当性、権限、実行可能性を正式に確定させる。 |
| 文書管理台帳 | 承認プロセスが「完了した事実」を記録し、証明する台帳。 |
文書の所在、保存期間、状態、そして正当性(承認の有無)を一元管理する。 |
つまり、文書管理台帳に記載されるべき「承認日」や「稟議書番号」、「作成部署」といった最重要項目は、すべて社内稟議というプロセスから生まれる情報なのです。
紙の稟議書が、台帳管理に与える悪影響
紙やExcelファイルでの社内稟議を回している限り、文書管理台帳の効率化には限界が生じます。アナログな承認プロセスは、文書管理台帳をアナログで運用することを強要してしまい、結果として業務の効率化は図れません。
入力ミスと入力漏れ:
稟議書が紙で回覧され、最終決裁された後、総務担当者がその紙を見ながら「承認日」「稟議書番号」「最終承認者」を手動で台帳(多くはExcel)に転記する際に、人為的な入力ミスや入力漏れを起こすリスクがあります。
例えば、「2025年6月7日」の承認日が誤って「7月6日」と入力されただけでも、その文書の効力発生日や法定保存期間の起算日が狂い、将来的な監査対応に重大な支障をきたします。
紛失による把握不能、状況把握の遅延:
紙の稟議書は紛失リスクを伴います。また「今、この文書がどの部署の、誰の手元にあるのか」をリアルタイムで把握できません。このことで、管理文書台帳で必須の項目となる、重要文書の状態について、紛失による空欄や、状況把握の遅れによる未更新を誘発するリスクがあります。
「稟議の電子化」が文書管理台帳の効率化に直結
文書管理台帳を効率化するためには、情報発生源である稟議プロセスを電子化し、データとして自動的に生成・連携させる仕組みを構築することが不可欠です。
承認完了と同時に「自動エクスポート・自動記録」される仕組みの構築(データの自動化)
電子稟議(ワークフロー)システムを導入すると、文書管理台帳への情報を自動登録させることができます。
- 自動データ生成: 稟議が最終決裁権者によって承認された瞬間、システムは「文書名」「作成部署」「承認日(決裁日)」「稟議書番号(固有ID)」といった必要なデータを自動で生成します。
- データ連携(自動エクスポート): 生成されたデータは、API連携やCSVの自動出力機能を通じて、文書管理台帳へ自動的にデータ出力(エクスポート)され、該当行に記録されます。
- 「転記」作業の消滅: 紙を見ながら台帳に手入力するというアナログ作業から完全に解放されます。この転記作業の消滅で、文書管理台帳の運用工数を確実に削減できます。
人的ミスの削減とガバナンスの強化
データの自動連携は、単に手間を減らすだけでなく、文書管理における信頼性(インテグリティ)を向上させます。

この仕組みにより、「この文書は正式に承認され、使用を許可された」というガバナンスの記録としての台帳の役割が、確固たるものになります。
法定保存文書の管理も自動化でミスなく完結
多くの文書管理台帳には、「保存期間」と「廃棄予定日」の項目があります。特に法定保存文書の管理は、ミスが許されない神経を使う業務です。
電子稟議システムでは、申請フォームの段階で「契約書(10年保存)」「経理帳票(7年保存)」のように文書種別を選択させることができます。
・保存期間の自動設定: 稟議システムが、その文書種別に基づき、自動で台帳の「保存期間」を設定します。
・廃棄予定日の自動計算: 承認日(起算日)に保存期間を加算し、「廃棄予定日」をシステムが自動計算し、台帳に連携します。
これにより、法令順守(コンプライアンス)に関わる重要な日付管理においても、担当者の経験や手計算に頼る必要がなくなり、ミスなく正確な管理が可能になります。
台帳や管理表を自動作成・更新できる、社内稟議システム
「グルージェントフロー」
グルージェントフロー は申請フォームと承認フローから成る社内稟議システムです。グルージェントフローで入力したデータは、Excelやスプレッドシートに自動出力可能。例えば、設備購入申請のデータをExcelの固定資産台帳へ自動で転記させ、台帳の自動更新を実現。グルージェントフローと、管理簿や台帳を紐づけ、常に最新で正しい信頼性高い台帳管理にお役立ていただけます。詳細は、自動化をご紹介するページをご覧ください。
文書管理台帳を効率化するために、稟議を電子化しよう
紙の稟議書は、社内稟議システムで電子化を検討しましょう。稟議プロセスを電子化し、データを自動連携させることが、申請・承認業務にとっても、文書管理台帳の管理業務にとっても効率化の鍵となります。
本文のまとめとして、電子稟議システムを検討する際、ぜひ以下にご留意ください。
システム導入の留意点
電子稟議システムを選ぶ際は、単に「申請・承認ができること」だけでなく、「文書管理台帳となるデータベースやExcel/スプレッドシートへのデータ連携(自動エクスポート)機能」を必ず確認してください。この連携機能こそが、台帳管理における手作業とミスを根絶し、台帳の信頼性向上と強固なガバナンスを実現させます。以下の記事もぜひご覧ください。


