複雑な承認ルート(合議・分岐・多数決)の設計課題をグルージェントフローが解決する理由

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社内の稟議や申請の承認フローが複雑化し、電子化が進まない、あるいは既存システムでは柔軟な対応が難しいとお悩みではありませんか?

本記事は、すでにワークフローシステムを導入済みの企業、および高度な導入検討をしている企業に向けて、複雑な承認ルートの設定や管理の課題を解決する、グルージェントフローの具体的な有益性をご紹介します。

複雑な承認ルート(合議・分岐・多数決)の設計課題をグルージェントフローが解決する理由
 目次

承認フローの複雑性が招く「決裁スピードの低下」

業務における承認フローとは、申請された事柄に対し、権限を持つ人が承認する一連の流れを指します。この流れを示す承認ルートは、誰がどの条件で承認するかを経路上に示したものです。

紙の申請書では、進捗状況が**見えない「ブラックボックス化」や回覧に時間がかかるといった問題が発生しますが、企業の組織や業務が複雑化すると、これらの問題はさらに深刻化します。

なぜなら、稟議や申請においては、最もシンプルな「直列型」(申請内容によらず、決まった役職や部署が決裁するルート) だけでは対応できないケースが多発するからです。

既存システムとシンプルなルートが抱える限界

合議型、分岐型、多数決型といったパターンがあります。

これらの複雑なルートを運用しようとする際、多くの企業が以下の構造的な課題に直面します。

  1. ルート設計の煩雑化: 申請内容によって適切な承認ルートを選ばなければならないという課題があります。
  2. システムの制約: ワークフローシステムを導入しても、承認フローに組み込める人数や経路数に制約がある、あるいは組織変更のたびに大規模なメンテナンスが必要になるといった、システム側の制約に阻まれてしまう場合があります。
  3. 情報管理の負担増: 既存システムとは別に、ワークフローシステム専用の個別のユーザー情報管理が必要になる場合、情報システム部門(情シス)の負荷が大きくなります。

これらの制約や課題を解消し、合議、分岐など柔軟なルート設計が可能な機能が備わっていなければ、複雑な承認フローの課題は解決できません。

【深掘り解説】「合議」「承認」「決裁」の決定的な違い

並行して承認を進める「合議」は、「承認」や「決裁」といった関連用語と混同されがちです。特に、ワークフローシステム導入において、誰に、どのタイミングで、どの権限を与えるかを決定する上で、この用語の違いを理解しておく必要があります。

用語 

意味とプロセス上の役割

承認

申請内容に対し、権限を持つ人が内容を確認し、賛同すること。承認を経ることで、次のプロセスに進む。

合議

複数の関係者(複数部門の部長など)間で議論・協議し、意見をまとめて承認を得るプロセス。責任を共有し、並列処理によってプロセスを効率化する側面を持つ。

決裁

最終的な意思決定権限を持つ人が、その案件の是非を最終的に決定すること。合議や承認といったプロセスを経た後、決裁者が最終判断を下すのが一般的である。

複数の承認を並行させる「合議型(並行承認)」

合議型とは、順番通りに承認する直列型と大きく異なり、複数の承認者や承認ルートを並行して組み合わせる場合を指します。この並行承認により、決裁スピードの向上が期待できます。

【定義とユースケース】
合議型では、複数の部門や担当者に一斉に承認を依頼し、特定の条件が満たされた時点で次のプロセスに進みます。

  • 具体例: あるプロジェクトに3つの部門が関わっている場合、最終的に3部門の部長全員の承認を得る必要があるけれど、順番にはこだわりがないとします。このようなときには、3人に並行して承認を依頼し、全員の承認が揃った時点で決裁者に渡すことができます。
  • 運用要件: 合議型をスムーズに運用するには、複数の承認者や承認ルートを並行して組み合わせる柔軟なルート設計がワークフローシステムに備わっていることが必須です。

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条件によってルートを自動で切り替える「分岐型」

分岐型とは、あらかじめ決めておいた条件によって申請を振り分け、適切な承認ルートをたどる承認フローです。

【定義とユースケース】
分岐型の最大のメリットは、申請者が判断せずとも、システム側で自動的に承認ルートを選択することです。

  • 具体例 (金額による分岐): 物品購入を例にとると、「1回10万円までの購入なら課長の決裁、100万円までの購入なら部長の決裁、それを超える場合には取締役の決裁が必要」といったように、金額に応じて承認ルートが変わる場合があります。
  • 具体例 (内容による分岐): 金額とは別に、資産管理の対象となるかどうかによって、直属の上長だけではなく総務部の承認が必要になるというケースも考えられます。

分岐型のルート設定は、条件が複雑になるほど難解になり、システムに以下の要件が求められます。

  • 柔軟なルート設計: 申請内容により自動的に承認ルートを設定できる機能が必要です。

技術的要件の緩和: 高度な分岐にはJavaScriptなどのコードが必要になる場合がありますが、管理者の専門知識や技術への依存が負荷増大の原因となります。

迅速な意思決定を可能にする「多数決型」

多数決型は、合議型と似て、あるタイミングで承認プロセスが並列になりますが、承認の条件が異なります。

【定義とユースケース】
多数決型では、全員でなくても、社内規程等で定めた条件に基づいて次に進めるルートです。

  • 適用例: 一定以上の金額やリスクがある場合に、関与者全員の承認を待つことなく、規程で定めた特定の承認者数の承認が得られれば進行できる場合に適用されます。

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複雑な承認ルートの設計を支えるワークフローの機能的要件

上記のような複雑なルート(合議、分岐、多数決)をスムーズに運用するためには、ワークフローシステムに以下の機能が備わっていることが必須です。

  1. 柔軟なルート設計機能: 合議、分岐など柔軟なルート設計が可能であること。
  2. 自動選択機能: 申請内容により自動的に承認ルートを設定できること。
  3. 進捗状況の可視化: 承認フローがどこまで進んでいるのか、いま誰の承認待ちなのかをシステム上で確認できること。

複雑な承認フローをグルージェントフローで自動最適化する強み

複雑な承認ルートの課題を解決する方法として、ワークフローシステムを使った承認フローの電子化が効果的です。

しかし、単に電子化するだけでは、複雑なルート設計や情シス(情報システム部門)の管理負担という構造的な課題は解決できません。グルージェントフローは、まさにこれらの難解な課題を解決するために、既存のグループウェアの資産を活かしつつ、「いいとこどり」の機能を提供します。

複雑な承認ルートを実現する「柔軟性と自動選択」

合議型、分岐型、多数決型といった高度な承認ルートを正確かつ迅速に処理するためには、システムに柔軟なルート設計が可能な機能が備わっている必要があります。グルージェントフローは、この要件を満たしており決裁スピードの向上に直結します。

  1. 承認ルートの自動選択による無駄の排除 ワークフローシステムを活用するメリットとして、申請書を選べば自動的に承認ルートが選択される点が挙げられます。これにより、誰に書類を回せばいいのか悩んだり、間違った人に書類を送って無駄な時間をかけることはなくなります。
  2. 高度なルート設計への対応力 グルージェントフローは、承認経路柔軟に設計できるため、これまでのルールや職務権限を変えることなく導入できます。特に、複雑な条件分岐(例:特定の金額以上の場合のみ役員承認が必要など)が必要な場合でも対応可能です。
  3. 設計負担を軽減する技術的サポート 複雑な経路設計には技術的な知識が必要になる場合がありますが、グルージェントフローでは、実現したいことを入力するとAIがコードを提示するスクリプト自動生成機能があり、管理者の負担を抑えて運用できます。

管理者(情シス)の負担を解消するグループウェア連携

新しいシステムを導入する際の大きなデメリットとして、ユーザー情報を新しく管理する必要が生じ、情シス部門の負荷が増大する点があります。グルージェントフローは、この課題を根本から解消します。

  1. アカウント管理の一元化 グルージェントフローは、Microsoft 365(Office 365)やGoogle Workspace と強力に連携します。これにより、グループウェアのアカウントを共通利用するため、ワークフローシステム専用の個別のユーザー情報管理が不要になります。
  2. 組織変更への自動対応 組織変更や異動が発生した際も、連携しているMicrosoft 365 や Google Workspace の従業員情報を更新すれば、グルージェントフローに自動的に反映されます。これにより、「組織変更のたびに大規模なメンテナンスが必要」というシステム的制約や情シスの管理負荷を軽減するという活用例を実現します。
  3. 既存資産の活用と「いいとこどり」 SharePointの承認ワークフローを活用する場合、既存資産を活かせますが、多機能ゆえのわかりにくさや、カスタマイズに専門的な知識や技術が必要となり、情シスの負荷が大きくなるというデメリットがあります。グルージェントフローは、これらのSharePointの課題と、新規システム導入の課題(ユーザー抵抗感増大、個別管理)の両方を解決する「いいとこどり」の最適解を提供します。

ユーザー抵抗感を払拭するシンプルな操作性

導入後の定着を促進するためには、現場ユーザーの使いやすさが重要です。

  1. マニュアル不要のシンプルな操作性 グルージェントフローはワークフローに特化しているため、マニュアル不要のシンプルな操作性を実現し、導入ハードルが低いのが特長です。
  2. 既存書式を活用した抵抗感の軽減 既存の紙の稟議書や申請書で使っている書式と同じレイアウトをフォームとして利用できるため、電子化による使い勝手の変化を小さく抑えることができます。

業務の信頼性を高める内部統制と証跡管理

グルージェントフローは、複雑な承認プロセス全体を可視化し、証跡を残すことで内部統制を強化します。

  1. 監査対応力の強化 ワークフローの簡略化や可視化により、経営改革を実現した事例があるように、承認や申請した日時の記録が残り、クラウド上に保存され必要なときに検索できるため、証跡としての能力が高まり、監査にも対応できる点も大きなメリットです。
  2. 多様な活用事例の提示 従来の稟議書データを添付し回送することで、シンプルに電子化を実現した事例や、わずか1か月の作業期間で導入し、4か月で1,800件の申請にもほぼ苦情なく対応している事例など、具体的な導入効果が確認されています。

グルージェントフロー導入による成果と次のステップ

これまでご紹介した通り、グルージェントフローは、複雑な承認ルートの設計課題情報システム部門の管理負荷現場利用者の抵抗感という、ワークフローシステム導入における主要な障壁を解消します。導入は単なる業務の電子化にとどまらず、企業経営に直結する大きな成果をもたらします。

内部統制と業務信頼性の飛躍的向上

複雑な承認フローの電子化は、業務の透明性の確保コンプライアンス体制の強化に不可欠です。

  1. 監査対応力の強化 紙の申請書は保管に場所を取り、検索性も高くありません。しかし、ワークフローシステムを活用すれば、申請や承認した日時の記録が残り、承認されたデータはクラウド上に保存され、必要なときに検索できます。これにより、証跡としての能力が高まり、監査にも対応できる体制が整います。
  2. 業務の継続性の確保 承認ルートが自動的に選択される仕組みにより、異動や組織変更があってもいつもと同じように申請すれば適切な承認者に届き、業務を止めることがありません

導入を機とした承認フローの見直し・最適化

グルージェントフローは承認経路を自由に設計できるため、これまでのルールや職務権限を変えることなく導入できます。

システムの導入をきっかけに、既存の承認フローの見直し・最適化を検討することも可能です。システム化することで、既存の承認フローが持つ課題が見えてくることもあり、それを最適化するだけの機能もグルージェントフローには備わっています。

複雑な承認を持つ企業の成功事例

グルージェントフローは、さまざまな業種の企業の業務改善に貢献し、複雑な承認フローの最適化を実現しています。

まとめ:複雑な承認フローの課題はグルージェントフローが解決します

複雑な承認ルートの設定や管理の課題は、グループウェア(Microsoft 365やGoogle Workspace)と強力に連携し、柔軟なルート設計が可能なグルージェントフローによって解決できます。

承認フローの複雑化や管理の負担でお悩みの企業様は、ぜひグルージェントフローの導入をご検討ください。